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アンスポ吹かれる5パターン、JBAのファール規約を改めて確認してみる [コラム]



アンスポーツマンライクファール、通称「アンスポ」。



Bリーグを見てる人ならもうお馴染みのファール。審判が両手をあげて、片手でもう片方の手首を掴んだらアンスポ。2017年8月15日付で、国際バスケットボール連盟(FIBA)がアンスポの基準を変えたことで、日本のBリーグでも2017-18シーズンから導入された。



FIBAが定めた基準であるので、NBAのようなとある国のとある独自の興行ルールがある中では適用されないが、世界大会のような世界一律の公式試合ではこの基準が取り入れられる。先日のアジア一次二次予選、今年8月に開催されるワールドカップ、来年のオリンピックなど。





2017年12月に、アンスポについてのブログを書いていたので、「アンスポとは何か」をそこから軽く抜粋。

(その時のブログ⇒https://wvouen.blog.so-net.ne.jp/2017-12-09



通称アンスポ。正式名称はアンスポーツマンライクファール。直訳すると、スポーツマンらしくないファール、となるが実際の意味合いはちょっと違う。らしいからしくないかはあまり関係ない。



テクニカルファールが「選手の態度」に吹かれるのに対して、アンスポはコート内での「選手のプレイ」に対して吹かれる。



具体的には、通常の度を越えて危険なプレイ、悪質な意図のあるファール、ボールに全く向かっていないプレイなど。バスケットボール競技の選手のプレイに対して笛が吹かれる。選手やHCやベンチからの暴言や必要以上の口答え、ボールを叩きつけたりモノを蹴っ飛ばすような行為は、プレイではなく態度なのでアンスポではない。その類のものはテクニカルだ。



アンスポを吹かれると相手にフリースロー2本、さらに相手ボールからスタート。相手の4点5点プレイにつながる。特に試合終盤に見られることが多いので、このファールをしてしまうか否かで試合を決してしまうことが多い。アンスポ2つもらうとその時点で退場。アンスポとテクニカル合算して2つもらっても退場。



この辺はBリーグや国際試合を見ている人は、漠然と何となく感覚で分かっていると思われる。FIBAの改定されたページを見ながら改めて確認してみる。が、皆さんが試合を沢山見て理解している何となくの感覚の方がより実践的で正しいかもしれない。



2アンスポ.jpg





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2017年、JBAの公式サイトで改定されたページの文言。JBAのサイトでも普通に見れるので気になる方は覗いてみるのもいいかも。



ちなみに、アンスポか否かの判断は審判のさじ加減がモノを言う。明確に線引きが決まっていないのが選手にとっても観客にとっても悩ましいところ。もちろん審判同士で基準の一致を目指しているとは思うが、審判たちも個々経験値や感性、言葉の受け取り方などは違うので完璧は難しい。あくまでその日のその時の審判次第、審判のさじ加減。これは大前提。



JBAの規約を見ると、アンスポ吹かれるのは以下の5パターン。以下のアンスポ対象になるパターンの3番目、(3)が追加になったようだ。改めて読んでみると、BリーグやAkatsukiFive日本代表戦を見てた人は、「あーそうね」てな感じ。



規約は小難しいのでこういうパターンはこれなど、完璧に理解はしていない。審判を目指す人以外は、まぁ何となくわかっていれば十分だと思う。



【アンスポーツマンライク・ファウル(UF)が適用される場合】
※今回の競技規則改正により(3)が追加となった。


(1) ボールに対するプレイではなく、且つ、正当なバスケットボールのプレイとは認められないと審判が判断したプレイ


(2) 過度な接触(ハード・ファウル)と審判が判断したプレイ


(3) ディフェンスプレイヤーが直接ボールにプレイせず、速攻を止めることだけを目的とした必要のないファウル、またはオフェンスの進行を妨害することを目的とした必要のないファウル
(このルールはオフェンス側のプレイヤーがショットの動作に入るまで適用される)



(4) ラスト・プレイヤーの状況で、後ろからもしくは横からのファウル(ラストプレイヤーシチュエーション)


(5) 第4ピリオドもしくは延長残り2分の状況で、スロー・インのボールが手から離れる前にディフェンスのファウルを取り上げた場合






上記の(1)~(5)の、5パターン。



その中の3番目。(3)のところ。一言で言えば、

・速攻を止めるためだけのボールに向かわないファール。
・試合終盤のファールゲーム時など、時間を止めるためだけのボールに向かわないファール。



この2パターンがアンスポ対象に。共通するのは「ボールへ向かったプレイではないこと」。






(3)を読んでみる。



(3) ディフェンスプレイヤーが直接ボールにプレイせず、速攻を止めることだけを目的とした必要のないファウル、またはオフェンスの進行を妨害することを目的とした必要のないファウル



まずは前者、「ディフェンスプレイヤーが直接ボールにプレイせず、速攻を止めることだけを目的とした必要のないファウル」。



これで、相手の速攻時にうかつにファールをして相手を止めることができなくなった。文字だけで言えば、どんな状況であれちゃんとボールへ向かったプレイであれば、たとえ速攻時であろうと通常のファールになるはず。だが、この追加された規約のインパクトと「速攻をファールで止めた」の固定観念で、アンスポを吹かれる可能性が強いのでややこしいうえにやっかいだ。



いままでは速攻を出されたら、相手の腕を意図的に強くはたいたり、軽く両手で抱きついたりして速攻を止めることができた(度を超えればアンスポだが)。通常のファールはもらうが、相手に100%得点されるチャンスは潰せる。卑怯な手でもなく普通の戦術だ。だがこれからはこれがアンスポ対象へ。



スラムダンクの湘北vs山王の後半、宮城の速攻を深津が両手で抱きついて速攻を止めて、インテンショナルファール(アンスポ)をもらったシーンがあった。あのシーンが描かれたのは20年前。よって、今までも度が過ぎればアンスポにはなっていたものを、これからは顕著にアンスポにしていくといった感じか。



実際に試合を見ていて、速攻をだされた時に、ゴールとボールの間に明らかにディフェンダーがいた場合は、通常ファールで速攻を止めるシーンが何度か見られた。反対に、ゴールとボールの間にディフェンダーがいない場合で、先頭を走る相手を後ろから追いかけて、後ろや横からやや強引に手を出して速攻を止めるシーンなどはほぼアンスポになっていたと個人的に思った。



それがボールに向かっていたプレイだったのか否かは審判のその場での判断なので映像ではわからない。が、ゴールとボールの間に自分たちのディフェンダーが1人~複数人いるのであれば、それは速攻とは呼べないからかもしれない。ただのゴールへのアタック。ただのペネトレイト。ただのドライブ。ファーストブレイクと呼ぶには何か違う。



よってガードがスティールされたり、ボール運びの時点で相手にボールを取られたり、リバウンドからロングパスで速攻出されたりしたときは、うかつに止められないと言える。ただ両手をあげているだけでも相手のファールをもらう技術が上手でアンスポなんて言われたら、選手もやりきれなさそう。まあそういう状況を作られた時点で負けで、「あらかじめそういう状況を作らない」くらいしか対応策がないのかも。







次に後者、「ディフェンスプレイヤーが直接ボールにプレイせず、オフェンスの進行を妨害することを目的とした必要のないファウル」。



これも多々見られた。試合終盤のファールゲーム時、時間を止めるため(相手のオフェンスの進行を妨害)だけのボールに対してではない意図的なファール。



ボールではなく相手の身体へのファールや、ファールすることが目的の強引なプレイなど。これがBリーグ2年目から出来たわけなので、Bリーグ1年目はファールゲーム、つまり残り数十秒から何度も何度もファールをし、何度もフリースローをさせるシーンが見られたのに対し、2年目3年目は残り時間と点差次第では選手は早々と諦め、そのまま試合が終わるシーンが普通になった。



今までは相手に強引にファールすれば、1秒2秒以内にファールが簡単に出来ていた。それがこのルールによってファールするのも一苦労、相手がボールを回してファールをするのに5秒10秒、またはファールができなかったシーンなども見られた。



これはBリーグだけではなく、アジア一次予選や二次予選でも見られた。世界大会はFIBA管轄なので、日本だけではなく世界中で同じような声は上がってるんだと思う。「審判、いまのはアンスポだろ」「えー、今のがアンスポ!?違うでしょー」など。





よって、2017年にFIBA規約に新しく追加されたアンスポになるパターンは(3)の、速攻を止めるためだけのボールに向かわないファール。ファールゲーム時などによく見られる、時間を止めるためだけのボールに向かわないファール。






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せっかくなので、(3)以外のもともとの規約(1)~(5)も眺めてみる。



読んでみて首を傾げるようなあまりしっくりこない場所もあったので詳しい人や指摘があれば。あくまで個人の読み取りで、100%正解ではないのであしからず。



(1) ボールに対するプレイではなく、且つ、正当なバスケットボールのプレイとは認められないと審判が判断したプレイ 



これは追加された(3)に似てるが、ボールに向かわないファール。速攻やファールゲーム以外のプレイでも、度が過ぎてボールに向かわないファールはアンスポ。さっきのスラムダンクの深津のように。



ただ実際は、向かわないファールで速攻を止めたり時間を止めたりは2016年までは当たり前に見られたので、「どこからか」のボーダーはわからない。あくまで審判の判断次第。余談だが、選手は今まで小さい頃から覚えてきたり当たり前に使ってきたルールを急に一方的に変えられて、すごく大変だなあと思う。





(2) 過度な接触(ハード・ファウル)と審判が判断したプレイ 


Bリーグを見ていてたまにある。しっかりとボールに向かって懸命にプレイしても、結果的に相手を怪我させてしまうようなハードなプレイになってしまいアンスポが吹かれる場合。真剣勝負・白熱ゆえの強い衝突、ゴールを何としても死守するために結果的に荒いプレーや強引なプレーになってしまった場合など。



1点を争う試合終盤や僅差での試合展開など、選手もコート上で必死である以上、また悪意もなく、故意でもなく、意図的でもなく、ボールに向かわないプレイでもない以上、仕方のないファールと言っていいと思う。





(4) ラスト・プレイヤーの状況で、後ろからもしくは横からのファウル(ラストプレイヤーシチュエーション) 



よくわからん。これは(3)とどう違うのか。ボール運びのミスやスティールなどで速攻を出されて、自陣ゴールと相手の間にディフェンダーがいない時に、それでも何とか速攻を止めようと相手を追いかけて、後ろからまたは横からファール。シーンは思い描けるが、(3)との違いがよくわからない。まあ(3)を覚えておけば、これは覚える必要ないかも。





(5) 第4ピリオドもしくは延長残り2分の状況で、スロー・インのボールが手から離れる前にディフェンスのファウルを取り上げた場合 


バスケは4Qの残り2分を切るとルールが変わる。最初の38分と、最後の2分でいろいろルールが変わったりする。これはその1つ。ボールが外に出て、スローインでボールを入れるシーンでこれが起こる。ボールがまだコートに入っていない(スローイン者の手から離れていない)状態で、コート内でディフェンダーがファールをしてしまうとアンスポになる。



5秒バイオレーションを狙って、ボールを入れさせまい、ボールを受け取らせまいと必死にコート内でディフェンスした結果、ファールしてしまった場合。スポーツマンらしいファールだがアンスポ。Bリーグを見てて1回(?)は見たことがある。







アンスポをJBA規約で見てみた。追加された部分は、ボールに向かわない速攻止めるためだけのファールと終盤のファールゲームの時間を止めるためだけのファール。


それと実際にBリーグで見かけたのは、相手を怪我させてしまうような過度な激しいプレイでアンスポ、残り2分を切った状況で、スローインする前のコート上でのファール、くらい。


実際によく起こり得るものは限られているので、それだけ覚えていれば全く問題ないと思った。







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